スパイファミリーでは西国(ウェスタリス)と東国(オスタリア)が登場し、ストーリーを読んいるとおそらく第2次世界大戦が終わり、分断された旧東西ドイツが舞台になっているのではないかと思いました。ただ歴史が得意な人ならいいんですが、筆者のように歴史が苦手な人だとスパイファミリーを読んでいて理解できない部分もあるのではないでしょうか?
そこで今回は誰でも分かるようにスパイファミリーの舞台やモデルである冷戦時代の東西ドイツについて解説!そしてスパイファミリーと東西ドイツの共通点についても調査していきました。
スパイファミリーの舞台やモデルは冷戦時代の東西ドイツ?1960年~1970年代をモデルにしているのか調査!
『SPY×FAMILY』第8巻、本日発売になります。ページの配分間違えてギチギチになっております。
アニメ共々よろしくお願い致します。 pic.twitter.com/0JrcfgV8I9— 遠藤達哉 (@_tatsuyaendo_) November 4, 2021
スパイファミリーの舞台やモデルってマンガを読んでいると、筆者はこんな感じで・・・。
このようにスパイファミリーの内容はある程度理解はできるが、イマイチ踏み込んだ深い部分のシーンは理解することができません。そこで今回はスパイファミリーがより楽しく読めるように『東西ドイツの歴史』を振り返りながら舞台やモデルになっている部分を紹介していきます。(※あくまで個人の考察や解釈もあります。温かい目で見て頂けると有難いです。)
スパイファミリーの物語の舞台は西国(ウェスタリス)と東国(オスタリア)で2つの国。この2つの国では過去に大きな戦争が起きており、そこから十数年経っていると考えられます。主人公ロイドたちが生きる時代の説明に3巻では『東西の間に鉄のカーテンが下りて十余年、仮初の平和が成り立った世界』という表現があります。
ここを読むと大体の人が気づくと思うんですが、スパイファミリーの物語が冷戦時代の東西ドイツがモデルになっています。そして作中に使われている『鉄のカーテン』ですが、グーグルで調べてみると冷戦時代の東西ドイツの緊張状態を比喩した表現でした。
鉄のカーテンは、冷戦時代のヨーロッパにおいて東西両陣営の緊張状態を表すために用いられた比喩である。
引用:wikipedia
そして過去に起きた大きな戦争とは第二次世界大戦を指し、そこから10数年たった東西ドイツがスパイファミリーの舞台のモデルになっていると考えられます。作者の遠藤達哉先生もマンガの見開きで『1960~1970年くらいの時代を想定して描いている』と語られていることから間違いないと思います。
なのでスパイファミリーの設定を深く知るためには旧東西ドイツの歴史を知ることが重要だと思います。
まず東西ドイツの冷戦を知る前に学んでおかなければいけないのが第2次世界大戦中のナチスドイツ時代です。おそらくスパイファミリーの西国WISE所属のはロイドやハンドラーさんはこの戦争被害者で、今のスパイ活動をやろうと思ったキッカケになった出来事です。
手始めに簡単にドイツの歴史年表も頭に入れておきましょう!こんな時代の流れでドイツの歴史は流れていきます。
1933
・ヒトラー政権掌握
1939 – 45
・第二次世界大戦
1945
・ドイツ無条件降伏、連合軍の分割占領
1949
・東西ドイツ成立
1961←(スパイファミリーのモデル)
・東ドイツ、ベルリンに「壁」の構築を開始する
1989
・ベルリンの「壁」崩壊
1990
・ドイツ統一
ナチス・ドイツ時代についてですが、筆者が参考にしたのはこちらの動画です。バカな筆者でも理解できたので歴史が苦手な人でも分かりやすいと思います。(また第1次世界戦争も学んでいるとさらに理解が深まる)また動画の方が解釈しやすいですし・・・(笑)
ドイツはヒトラーの独裁政権、そして第二次世界大戦で領地を拡大するも最終的にアメリカとソ連に敗戦。そしてドイツはアメリカ勢力の西ドイツとソ連勢力の東ドイツで真っ二つに分けられました。この2つの国がスパイファミリーにおける西国(ウェスタリス)と東国(オスタリア)と言えますね!
東西ドイツは管轄する国が違うことで様々な支障をきたし、最終的には冷戦へと発展していきます。アメリカ勢力の西ドイツは『資本主義市場経済』、ソ連勢力の東ドイツは『社会主義計画経済』という全く違った経済システムで成り立ち、これが原因で双方は次第に仲が悪くなったと考えられます。西ドイツはお金持ち、東ドイツは貧乏になっていき、経済システムの違いで貧富の差が生まれてしまったとか。
<資本主義市場経済>アメリカ勢力の西ドイツ
簡単に言えば、みんなで自由に競争して豊かな社会を目指す経済。そしてお金持ちで豊かな生活を送っていた。
<社会主義計画経済>ソ連勢力の東ドイツ
簡単に言えば、土地は国のもので、一生懸命働いても、怠けていても給料は一緒な経済。そして不景気が直撃し、貧乏な生活を送っていた。
<冷戦>
上の<アメリカ勢力資本主義>VS<ソ連勢力社会主義>の戦い。直接武力衝突をしなかったため、冷たい戦争・冷戦と呼ばれる。
そして東ドイツでは言論や表現の自由が厳しく制限され、窮屈な生活なことから市民から反対運動もあったとか。なのでスパイファミリーの東国(オスタリア)でもその様子が描かれていますよね。
- 東国の情報を売る売国奴が増える
- →ヨルさんが始末
- 東国の悪口を言ったり、西国へのスパイに加担
- →秘密警察のユーリが粛清
- 東国の反対勢力によるクーデターやテロ行為
- →戦争の火種になる場合もあるので、西側WISEによる阻止
ただ東国(オスタリア)のイーデン校やヨルさんの職場風景を見ると、そこまで貧しさは感じませんよね。秘密警察によるスパイの粛清は描かれていますが・・・。個人的な解釈として、イーデン校の生徒の両親は国家に近い職業や身分の人たちなので、政府から優遇されていたのではないでしょうか。ロイドは精神科医だけど、イーデン校では庶民みたいな扱いでしたし。
1960年~1970年代の旧東ドイツではベルリンの壁が建設されている?スパイファミリーの主人公が住むバーリントはベルリンがモデルなのか調査!
— 遠藤達哉 (@_tatsuyaendo_) November 21, 2021
またスパイファミリーのモデルである1960年~1970年の旧東ドイツの情勢が気になりました。調べてみると1960年以降の東ドイツは政府から市民への弾圧が増した時代です。1961年には東ドイツ側にベルリンの壁が築かれて、西国への逃亡を防がれています。当時の東西ドイツはどんな情勢だったんでしょうね。こちらの動画ではシンプルで分かりやすく東西ドイツの統一まで説明されていました。3分ほどの動画なので見てみてください!
また細かく1960年~1970年の間の旧東ドイツの情勢を年表で時系列にまとめるとこちら!
1960年 東ドイツから西ドイツに逃亡する人が多く、特に比較的高い教育を受けた若者たちの逃亡が多く、国家が策を講じる
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1961年8月12日 東国から逃亡する人間を出さないためにベルリンの壁建設が始まる。また周辺には地雷原、自動発射装置も設置され、徹底的に逃亡者を出さないように監視された
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東ドイツ政府は反抗的な一部の集団に対する弾圧は行わず、政治的な宣伝活動と、生活水準を上げる経済政策を始める。国外逃亡しようとしていた住民は新しい状況下で仕事に打ち込み、生活水準をあげようと出世可能性を可能な限り高める努力をおこなう
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経済成長というポジティブな結果を生み、それによって物質的豊かさが改善され、反体制的な意見は減少
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1968年 プラハの春が起きる(スパイファミリーに関係ないので割愛)また国家の弾圧の空気が広がり、若者の小規模な抗議デモが行われる
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1970年以降 東ドイツは不景気が加速し、西ドイツとの経済格差が生まれる
1960年~1970年の大きな出来事は『ベルリンの壁』建設ですね。またスパイファミリーではベルリンの壁は今のところ登場しませんが、主人公ロイドたちが住むバーリントは東ドイツ側のベルリンなのではと噂されています。
その理由としてバーリントのスペルとベルリンのスペルが似ているということが上げられています。バーリントは『Berlint』ベルリンは『Berlin』と確かにスペルが似ていますよね。なので今後のストーリーでベルリンの壁が登場するシーンもあるかもしれませんね。
またスパイファミリー第7巻MISSION39のダミアンたちの課外授業で引率の先生から
先生:そういや今、南部の方じゃピクニックと称して第三国経由で西に亡命する者が増えているそうだ。
ダミアンたち:なんで西にいっちゃうんだろ?西の方がお菓子がおいしいのかな?
先生:なんでだろうなぁ?
このようにスパイファミリー内でも西国に逃亡する市民がいることが描かれています。またダミアンの発言からイーデン校の生徒や両親は国家に近い関係者が多く、やはり優遇されていた人が多かったのかも。今後のストーリーでは西側に逃亡する市民の描写なども描かれるかもしれませんね。